アリちゃん間もなく「私は二歳」

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 孫のありさは2月で2歳になる。そこで2020年の最初の1冊は、岩波新書の「私は二歳」(松田道雄著)にする。古本屋を数件回ったが見つからず、街のジュンク堂で買う。1刷が1960年、2年前に出たのが70刷という名著は文句なしに面白かった。

 松田さんは京大医学部出身の小児科医。98年に90歳で亡くなっているが、「二歳」は先行新書の「私は赤ちゃん」とともに育児書として読み継がれている。アサヒの関西版に連載されたものに37編書き足して百話にした。京都で長く小児科の診療所をやっていて、毎日やってくる2、3歳の子どもの身辺におこった「実話」をまとめたという(あとがき)。

 1、団地
  ・ごはんを食べない(病気でない)
  ・オモチャをこわす(成長の必要経費)
  ・お友だち(はじめて遊んだ日、ケンカも)等々

 2、京都の家(パパの実家)
  ・おばあちゃん(家事の芸術家) ・雑音(強いヨメ、弱いヨメ)
  ・ママの言い分(おばあちゃんの育児過剰)など「嫁と姑」問題も
  ・ゼンソク、肺炎かもしれない、夜尿など健康の話が続く

 3、京の街
  ・指しゃぶり(私は孤独だ) ・ドモリ(形式より内容を)
  ・買いぐい対策(何だかへんだ) ・女の子をいじめる(さわっただけ)
  ・オタフクカゼ、水ボウソウ、ビ熱、深夜の腹痛など続病気の話

 2歳の坊やとパパ・ママの3人家族の育児日記風。2歳の赤ちゃんに起きることを、わたし(坊や)が話す形で進む。東京の団地にいたが、京都の実家に引っ越す。パパの兄さんが東京に店を出すことになり、おばあちゃんは京都に残るためだ。「嫁と姑」の闘いに坊やが巻き込まれる。身の回りで起きる小事件と熱を出したり、湿疹ができて「ビョーキじゃないか」と慌てる親たちの姿が描かれる(ほとんどが自然に治まる)。

 熱の入る「早期教育」は、身につまされた。パパの上司だった佐々木さんは重役を辞めて、2人の孫と遊ぶ毎日。「わたし」より2カ月あとに生まれたカズちゃんにいろいろ教えている。絵本にある虫の名前を言わせたり、歌や踊りをさせて喜んでいる。

 佐々木さん宅から戻ったパパとママが話している。「こどもにあんなにいろんなことを教えるの、私、どうかと思うわ」とママ。パパも幼いころ父親が買ってくれた動物図鑑の魚を全部言いあて、父が喜んでいたのを覚えている。戦争でひどい時代、3つの子に期待をかけるのが唯一の希望だったようだ。パパは「佐々木さんも重役を辞めさせられずに活躍していたら、あんなに孫に歌をうたわせ踊らせたりしてないよね」。(うーん、肝に銘じよ)

005.JPG 「2歳になると、からだも心も成長し、個性がはっきりしてくる。しつけが始められ、育児をめぐる家族の対立も出てくる。しつけや子どもの心理の問題から、突然の発熱、腹痛などもおきる。その症状や手当てまでわかりやすく説かれた育児書である」(表紙のことば)

 「アリちゃんも二歳」。今のところビョーキもせずに元気に走り回っているので、あまり雑音を出さずに見守りたいですね。

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