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zoom RSS  みんなでバブれば怖くない住銀秘史!

<<   作成日時 : 2017/05/22 05:28   >>

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 バブル崩壊後の再編で銀行の名前がころころ変わった。一番笑ったのが「太陽神戸三井」。分かりやすかったが、さすがに「さくら」と変えた。小樽運河の近くに三井銀行の支店があって、昭和初めの建物は歴史的建造物としても人気があった。2度目の小樽勤務だった2001年に合併で「三井住友」支店になって、翌秋ついに閉鎖。日銀支店が廃止された2カ月後で「北のウオール街も全滅」と惜しまれた。「住友銀行秘史」(講談社)を読んで、そんな時代を思い出しました。

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 (2002年に閉店した三井住友銀行小樽支店の建物。今年9月に似鳥美術館に生まれ変わる)


 2001年秋にはマイカル小樽が倒産、このころは倒産・閉鎖の話ばかりで小樽は暗かった。道新小樽報道は総勢10人の一番小さな報道部。しかも一人が海外留学中で多忙を極めたが、みんな奮闘してスクープを連発した。マイカルの中核だったビブレ(百貨店)の撤退報道は私の情報からだった(うちのMが美容院で聞きこむ)。

 「住友銀行秘史」(國重惇史著)を読んでいて、バブル後遺症の取材で大わらわだった小樽時代が頭に浮かぶ。住銀は90年代イトマン事件で大打撃を受け、銀行再編で三井と組んで生き延びたんですね。秘史に出てくる改革派の西川常務は、三井住友銀行の初代頭取です。小樽支店閉鎖もバブル処理の一環だったんだ。

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 第11章 磯田辞任 (1990年)10月7日(日) 磯田会長 突然の辞意表明
 <役員工作> ●同日 松下常務と電話
  昨夜から大変だった。磯田会長から巽頭取に退任したいとの申し出。西副頭取と秋津専務にわからないよう にするのにずいぶん気を遣った。今後は一切動くな。
  辞任は深夜、磯田会長から申し出てきた。巽頭取から仕掛けたわけではない。(松下談)

 秘史の筆者國重・業務渉外部付部長の当時の手帳のメモにこうある。國重は行内の動向を克明にメモしていた。25年が経過して、磯田会長や西副頭取は鬼籍に入り、住友銀も再生している。國重は「墓場まで持っていくつもり」だった。知り合いの編集者(講談社)から「日本経済史の一場面として絶対に残しておくべきだ」といわれ、70歳になったのを機に本にした、と「あとがき」で明かした。

 メモはすべて実名、ほぼ記録通りという(削除はあるだろうが)。だから衝撃的で、経営陣の愚かさはあきれるほどに面白い。

 バブルに踊り、ブローカーに騙され、湯水のように金をつぎ込んだ。その責任を認めず、自己保身のためおろおろするばかりの経営陣の姿が満載される。これがバブルの実態なのだろう。日本列島が住銀のような愚か者たちであふれていたのだと思うとぞっとする。

 住銀がイトマン(中堅商社)につぎ込んで消えた金は3千億円を下らない。これは裁判で(証拠があって)確定した額だから、この何倍ものカネがどぶに消えた。

 イトマンは繊維商社から拡大路線に走り、安易な不動産売買にのめり込む。社長は住銀常務だった川村(背任で懲役7年)、不動産ブローカーの伊藤寿永光(同10年)を常務に招き、株買い占めの許永中(同7年6月)からは絵画を買い集めた。磯田会長の娘がこの絵画取引にかかわり、会長は相場の10倍もする"迷画"取引を黙認する。

 これこそ絵に描いたようなバカたち。不動産と絵はバブルのセット商品。銀行の金庫には金が有り余っていたから、回収のめどもないのにじゃぶじゃぶつぎ込んだ。他行も同様、みんなでやれば怖くない。というか何もやらないのが怖かったのか。

 メモにたびたび出てくる、情報源の松下、西川常務というのは数少ない改革派。國重さんは「住銀をつぶしてはならぬ」と奮闘するんですね。まあ、筆者だから"正義は我にあり"の顔ですが、何千億円もむだにしているのだから、共犯といわないまでも共同責任あり、ですね。

 すごいのは日経記者に資料を流し、告発記事を書かせている。1社だと弱いから、読売にも接近する。そして、イトマン社員をかたって大蔵省や日銀、後半はマスコミ各社にも告発文(レター計7通)を送りまくる。総会屋対策に雇ったフィクサーの女子事務員に頼んで自宅の千葉から郵送してもらう細心さ。

 マスコミ対策だけじゃなく、会長の女秘書と親しくなって毎日誰と会っていているか突き止めたり、運転手に酒を飲ませて情報を集める。まるでスパイ大作戦の住銀版でした。

 秘史を読み終えて、破たんした拓銀と同じだと思う。バブルに出遅れ、不動産に走り不良債権の山を築く。そこに付けこむブローカー、拓銀はカブトデコムに食いつぶされた。

 拓銀には國重さんみたいな剛腕の策士がいなかったのでしょうか? 大蔵省を動かし、マスコミをうまく使って膿を出すことができなかったか。山一と同様にみせしめにされたのでしょう。最後の頭取だった河谷さんは背任の刑期を終えているので、秘史を聞いてみたいですね。まあ話さないでしょうが、國重さんクラスの拓銀幹部の弁をぜひ聞きたい。

 最近、バブル回想本が出版界をにぎわしているようです。住銀秘史が13万部、野村證券第2事業法人部(これも講談社)が8万部だそうです。しかし、英雄気取りで秘史を明かしている感じで、反省の弁が聞かれない。そんな愚かな姿をさらせるのは、まわりもみんなアホだったから。しかし、バブルの郷愁に浸ってはいられない。

 今の世といえば、アベ(あほ)ノミックスによるバブル再現が目論まれ、格差社会に突き進む。きっちりとバブルの罪を総括しなければ、また痛い目に遭いそうですね。

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